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香港ドルの特徴


チャート




香港ドルは、1974年から83年まで、
変動相場制を採用する通貨でした。

しかし香港の英国統治を、中国へ返還する政治的な問題が表面化
してくると大暴落し、その後は米ドルに完全に連動する固定相場制
に変わりました。

1997年の中国返還後も、中国の人民元と同じように米ドルに対して
一定の範囲内に収まるように管理されています。

国内の経済状況は90年代後半のアジア金融危機の影響により
5.5%のマイナス成長となりましたが03年以降は中国本土の好景気もあり
高い成長率を記録しています。

米国でサブプライムローン問題が深刻化する2007年後半までは1香港ドル=14~16円近辺で推移していましたが
、2008年にリーマン・ショックが発生すると、FRB (米連邦準備制度理事会、中央銀行に相当) が
政策金利を段階的に引き下げたことなどから、ドル/円相場に歩調を合わせて急激な円高・香港ドル安が進行します。

しかし、2012年11月に発足した安倍晋三内閣が大胆な金融緩和を打ち出したこときっかけに、
再び香港ドル高・円安のトレンドに転換しました。2016年5月中旬現在は、
2007年の高値と同じ1ドル=14円前後の水準で推移しています。

なお、香港では2014年に中国政府に対する大規模な市民デモが発生しましたが、
これによる香港ドル相場への影響はほとんど見られませんでした。

米ドル相場とほぼ完全に固定されている香港ドル相場の政治リスクは、極めて限定的であると言えます。

中国の特別行政区である香港。
かつては英国の植民地でしたが、1997年に中国に返還されました。

返還後も「1国2制度」のもと、中国本土とは異なる自由主義型の政治・経済体制を維持しています。

金融政策の独自性も中国から認められており、
中国本土で流通する人民元ではなく、香港ドルを独自に発行して流通しています。

香港ドルの取引高は世界13位です (2013年4月公表の、国際決済銀行 (BIS) による1日当たり外国為替取引額の統計に基づく) 。

中国の一部でありながら、規制が少なく、透明性や公平性の高い自由経済地域として経済的な発展を続けています。
香港の株式市場は東京、上海に次ぐアジア3位。アジアの国際金融センターとして機能しており、
世界中の銀行や証券会社などが集まっています。国際貿易港としての歴史も古く、世界中のヒト・モノ・カネが行き交うアジアの交差点です。

一方、近年は中国による香港政治への関与に一部の市民が不満を募らせ、
2014年には大規模な反中デモが発生するなど、政治リスクは幾分高まりつつあります。

人民元との連動性が高い

人民元に近い通貨として、脚光を浴びている香港ドル。

そのため、人民元の切り上げ(=人民元高)の時に、香港ドル
も連動して切り上げるだけでなく、人民元への思惑が働く
際に連動して動きがちということも忘れないようにしましょう。

香港ドルは中央銀行ではなく、
市中銀行である香港上海銀行、スタンダード・チャータード銀行、
中国銀行の3行が発行しています。金融政策は中央銀行に相当する香港金融管理局 (HKMA) が司っています。

香港ドルは、米ドルとのペッグ制 (固定相場制) を採用しています。
現在、香港ドルの対米ドルレートは1米ドル=7.8香港ドルでほぼ固定されています
(7.75~7.85香港ドルの変動許容範囲が設けられています) 。

対円で米ドル高が進めば、ほぼ同じパーセンテージで香港ドルも上がり、
米ドル安になれば香港ドルも下がる仕組みです。

米ドルとのペッグ制を採用しているため、香
港の金融政策は基本的にFRB (米連邦準備制度理事会) の金融政策に追随せざるを得ません。

双方の金利の動きの足並みがそろわないと、どちらか一方の通貨が買われ、ペッグ制を維持するのが困難になるからです。
返還以降、香港の景気動向は中国本土の景気動向に連動しやすくなってきました。

しかし、香港はペッグ制を採用しているため、どんなに中国 (香港) の景気がよくても、
米国の景気が悪ければ緩和的な金融政策を取らざるを得ないというジレンマを抱えています。

そのため、香港の金融当局はいずれペッグ制を解消するという見方もあります。

香港ドル預金をする場合は、そうした変化についても注視する必要があります。

香港ドルの注目指標

香港ドルで注目すべき指標は以下の3つです。

・米国の雇用統計
・中国製造業PMI (購買担当者景気指数)
・中国GDP成長率

<米国の雇用統計について>

米国の雇用統計とは全米の約16万の企業や政府機関のおよそ40万件の
サンプルを対象に調査し、失業率、非農業部門就業者数、
週労働時間、平均時給、建設業就業者数、製造業就業者数、
金融機関就業者数などの項目を発表している

米国の経済指標の中でも、
特に重要視されている指標です。

香港ドルは米ドルにペッグしているので、
米ドル相場に大きく影響する米国の雇用統計は重要な指標のひとつです。

FRB (米連邦準備制度理事会) が毎月発表しています。

<発表時期>
毎月第1金曜日の日本時間22:30 (夏時間は21:30)

<中国製造業PMI (購買担当者景気指数)について>

購買担当者景気指数は原材料や部品の調達を担う人(購買担当者)に生産や受注、
価格動向などを聞き取り、その結果を指数で示した経済指標です。

香港ドルは米ドルにペッグしているので、
現時点で中国の景気動向が香港ドル相場に直接的に影響することはありませんが、
ペッグが解消された場合は注目したい指標のひとつです。

<発表時期>
中国製造業PMI:毎月1日ごろ

<中国GDP成長率について>

経済成長率 国内総生産(GDP)などで測った一国の
経済規模が一定期間に変化した率のことです。

中国国家統計局が四半期ごとに発表しています。
香港ドル相場に直接影響を与えることはありませんが、
中国製造業PMIと同様にペッグが解消された場合は注目したい指標のひとつです。

<発表時期>
4・7・10・1月中旬の日本時間11:00ごろ




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