メキシコペソの見通し(今後)


メキシコペソ




メキシコペソ(特にペソ円)のレートがこれから上がっていくのか
下がっていくのかを知るためには、
まずメキシコペソの為替レートがどのような理由で動くかという変動要因を知っておく必要があります。

ペソ円のレートが動く要因として以下のものが考えられます。

1. 米国の景気
2. 原油価格
3. 消費者物価指数
4.GDP
5.政策金利
6.日本の株価
7.世界の景気(VIX指数)


1.米国の景気


メキシコは米国の隣国なので経済的に密接な関係があります。

なのでメキシコ相場は米国経済の影響を受けやすい傾向にあります。

実際に1994年にNAFTA (北米自由貿易協定) が発効して以降、メキシコと米国との経済関係はますます強まり、
輸入に占める米国の比率は約47%、輸出は約81%に拡大しました (2015年実績、日本貿易振興機構の統計データより)

また、2017年に就任した米国のドナルド・トランプ大統領は、メキシコからの輸入を減らす政策を推し進めようとしており、
今後のメキシコペソ相場に一定の影響を及ぼす可能性もあります。


ではメキシコペソとドルのレートではお互いに密接な繋がりがあるのでしょうか?
金融工学の観点から分析して見ました。
ドル円とメキシコペソ円の為替レート相関の詳細をチェック→ドル円とペソ円の為替相場の相関


2.原油価格


世界有数の原油埋蔵量を誇るメキシコ湾に面する産油国だけに、原油価格もメキシコペソ相場に大きな影響を与えます。

2016年2月には、原油価格の下落や治安の悪化などが原因でメキシコペソは対ドルで過去最安値を付けました。

・原油価格と為替の相関チェック→原油とペソ円為替の相関


3.GDP


為替レートの動きを予測するにあたって経済指標で最も重要な項目の一つであるのが
GDPです。

・GDPと為替の相関チェック→GDPとペソ円為替の相関

GDPはともいいますが、一見するとGDPが高い国ほど投資家にとって魅力的に
みえますが、為替相場と関連しているのでしょうか?


4.政策金利


政策金利は受け取れるスワップポイントに直に影響してきますので
その値は重要です。
しかしメキシコペソのレートは政策金利によって左右されるのでしょうか?

政策金利と為替の相関チェック→政策金利とペソ円為替の相関


5.消費者物価指数


消費者物価指数は通貨と密接に係わり合いがあるといわれています。

メキシコの為替レートも消費者物価指数を深い関わりがあるのでしょうか?



消費者物価指数と為替の相関チェック→消費者物価指数とペソ円為替の相関



6.日本の株価


日本の株価についても比較してみました。



日本の株価と為替の相関チェック→日本の株価とペソ円為替の相関


2018年1月時点 メキシコペソの見通し


<昨年までのメキシコペソの動向>

・2015年からの原油価格の下落、米国の利上げ観測によってメキシコ中央銀行は
2016年に通貨防衛のために利上げを数回実施しています。

・アメリカ、メキシコ間の壁建設や不法移民の取り締まり強化の公約を
かかげているトランプ大統領が指名されたことでペソは下落基調になりました。

・その後トランプ大統領が当選したことでメキシコペソは大きく下落しました。

<最近のメキシコペソの通貨動向>

・トランプ大統領の言動により一時的に大きく下落する局面がありますが、
事前に報道されていた範囲内の政策であることや、新たな悪材料がないことで
ペソの下落は一時的なもので下げ止まっています。

現在、投資家の間ではトランプ大統領の掲げる政策にってメキシコ経済が悪い影響を受けると
懸念する投資家の見方は後退していると予想できます。

<トランプ大統領のメキシコペソへ影響を与えると見られる政策>

1月20日:⼤統領に就任。医療保険制度改⾰(オバマケア)⾒直しの⼤統領令に署名。

1月23日:TPP(環太平洋経済連携協定)からの永久離脱を指⽰する⼤統領令に署名。

1⽉24⽇ :⽯油パイプライン計画を推進する⼤統領令に署名。

1月25日:メキシコ国境に「壁」を建設、不法移⺠保護都市への補助⾦を
カットする⼤統領令に署名。

1⽉26⽇ 1⽉31⽇に予定されていた、メキシコのペニャニエト⼤統領との
会談の中⽌が決定。

1⽉27⽇ 中東・北アフリカの特定国からの⼊国を規制する⼤統領令に署
名。ペニャニエト⼤統領と電話協議を実施、壁に関しては⼤きく
触れず、共通課題である武器・⿇薬問題などから対話を継続。

今後の見通し

メキシコペソにおいては短期的には通商政策や国境の壁建設などの情報により
下落する可能性があります。

現在では、トランプ大統領の政策がどの程度メキシコ経済に影響を与えるのかは
不透明です。

メキシコ政府はメキシコ経済の不透明感を払拭するために
米国との関係改善や経済ファンダメンタルを模索しています。

これからもメキシコ中央銀行による為替介入によるレート対応や
政策金利の利上げが続くことが予想されます。

スワップ運用として注目したい中長期の変動では、
メキシコ政府は国や地方自治体などの基礎的な財政収支(プライマリー収支)
の黒字を目指す財政健全化姿勢の維持、原油依存からの脱却により構造改革などを合わせて
適正な水準でレート推移することが予想されています。