ポジション比率を判断材料にする

為替レートを動かす要因 として大きく 3 つの要素が挙げられる。

  • 2 国間の金利差
  • 投機的ポジションの偏り
  • 実需の動き

この中の投機的ポジションの偏りをみるのに、ポジション比率を活用しようという戦略。

  • 各 FX 会社が独自に公表しているポジション比率
    • FX 市場は株式のように中央取引所のようなものがないので、総体としての FX 投資家のポジションは不明である。
    • 各 FX 会社の中には自社のポジション情報を独自に公表しているところがあり、これらの情報を参考にすることになる。
  • CFTC が公表する「IMM 通貨先物」ポジション情報の「Non-Commercial」(非商業部門=投機筋) のポジション比率
    • シカゴ IMM 通貨先物ポジションはシカゴ・マーカンタイル取引所という市場で取引されている通貨に関する建玉状況を公開したもの。
    • 火曜日取引終了時点の情報が当該週の金曜日 15:30 (米国東部時間) に公表される。

先物取引・オプション取引全般を規制する米国政府機関。1974年設立。
取引所の市場運営が公正公平且つ適切に行われるように管理監督する。

  • 「個人投資家は食い物にされやすい」と考えるなら、FX 会社のポジション比率がロングに偏っていればショート目線、ショートに偏っていればロング目線でみる。
  • 「通貨先物の投機筋はスマートなはずだ」と考えるなら、IMM 通貨先物ポジションのポジション比率がロングに偏っていればロング目線、ショートに偏っていればショート目線で見る。
  • 投機的ポジションには利益確定や損失確定の反対売買があることを意識する必要がある。ポジションの偏りすぎには警戒が必要。偏っている場合は取組高にも注目する。

OANDA Japan は、これらの情報をグラフ化したページを提供している。
シカゴIMM通先物市場の投機筋とOANDAの顧客の買いポジション比率の比較

上記 JPY グラフの 2021.09~2023.07 期間の関係性をみると以下のように捉えることができる。

  • OANDA の Long 比率 (緑) が 50% を上回っている間のドル円レート (ピンクはドル円レートを逆にしたもの) は円安で推移している
  • OANDA の Long 比率が 50 % を割り込んだところで円安トレンドも一旦落ち着いている
  • IMM の Long 比率 (青) はずっと 50% を割り込んで推移しており、ドル円レートは大きく見て円安傾向

仮に、OANDA の Long 比率をもとに下記の戦略を立てていた場合

  • 2021.10 ~ 2022.10 の期間はドル円をロング
  • 2022.11 ~ 2023.04 の期間はドル円をショート

【無料 EA】Time Trading EA を用いて、日本時間の毎朝 9 時にエントリーして 24 時間後に決済 (他の設定はデフォルト値) を行うと以下の結果になる。

銘柄:USDJPY
通貨:USD
初期証拠金:10,000 USD

ドル円をロング (2021.10 ~ 2022.10)

ドル円をショート (2022.11 ~ 2023.04)

コメントを入力:
 

  • fx/strategy/posbook1.txt
  • 最終更新: 2023/08/24 15:35
  • by 管理人